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不器用なふたり 新たなる挑戦7

Auteur: 相沢蒼依
last update Date de publication: 2026-01-14 11:56:27

 ワンエイティが横付けされたのをきっかけに橋本が助手席から降りると、バトル後でぼんやりしていた俺も、慌てて運転席から降り立った。

「まーくん、お待たせ♡」

 泣き真似した女が宮本に抱きつこうとしたので、橋本は無言のまま女の襟首を掴んで、素早くそれを引き留めた。

「おじさんってば、ちょっとくらいいいじゃない。私の完敗だったんだし、まーくんに慰められたいんだってば」

「余計な刺激を与えるな。バトルしたあとで、雅輝は疲れてるんだから」

「とかなんとか言っちゃって。本当は恋人のまーくんに、触れられたくないだけでしょ?」

 女が告げたセリフに橋本はたじろぎ、掴んでいた襟首から手を放すと、すかさず腕を掴まれて豊満な胸に挟まれた。

「あっ!」

 俺はその行為にいち早く反応して橋本の反対の腕を引っ張って、女から引き離そうとした。

「雅輝っ」

「だって!」

「まーくんってば、おじさんにぞっこんなんだ。へえ」

 橋本はしたり顔する女を無視して自力で腕を奪取し、俺の隣に並んだ。

「ねえねぇ、どっちが下になってるの? おじさんがまーくんを抱いてるの?」

「そんなこと関係ねぇだろ。それよりもこのこと――」

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    *** 次の日、橋本は隙間時間を作り、野木沢の店に向かった。「あれで一応手加減したって言うんだから、本気で抱かれた日にゃ、俺の躰は壊れちまうかもしれない……」 昨夜の行為のせいで、げんなりしながら痛む腰を擦りつつ、店の扉を開けようとしたら、微笑ましい様子の異性のカップルが出ようとしたのか、タイミング悪く橋本と鉢合わせになった。「すみません」 慌てて一歩退き、出やすいように対処した橋本に、カップルは一礼して店をあとにした。幸せそうな雰囲気を醸しているカップルを、何とはなしに目で追っていると。「橋本……」 客を見送ろうとしたらしい野木沢が、弱々しく声をかけた。「よっ! 昨日は途中退席して悪かったな」「もしかして……。ペアリング作るの断りにきたのか?」 明るく話しかけた橋本とは相反して、野木沢はらしくないくらいに沈んだ表情だった。「おまえのデザイン気に入ってるのに、断るわけないだろ」 ジャケットからネクタイピンを出して、わざわざ見えるようにしたのに、顔を逸らしてあらぬ方を眺めた。「……宮本様から、何も聞いてないのか?」「聞いたさ。野木沢がイケメンで羨ましいだって」「そうじゃなく――」「陽さんって昔から面食いなんですねって、呆れながら言われた」 ネクタイピンをもとに戻し、身なりを整えた橋本のセリフを聞いて、大きなため息をつく。「宮本様は僕のこと、悪く言わなかったのか?」「悪く言うもなにも、自己嫌悪に陥ってた。陽さんの隣に俺みたいなのがいていいのか、みたいな」「…………」「バカだよな~。人は見た目じゃねぇのにさ」「あのさ橋本、あの頃に戻れないかな?」 自分の本心を伝えるために、芝居がかった口調で語気を強めた橋本を野木沢は直視し、想いをぶつけた。「あの頃?」「僕が困ったときに手を差し伸べてくれた、学生時代のように。橋本の傍にいたいんだ」「別に構わないけど」「ホント!?」 断られると思っていただけに、スムーズに願いが叶ったお蔭で、野木沢の沈んでいた気持ちがみるみるうちに浮上する。「ああ、本当。ほら、これが俺の連絡先」

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